忙しい生活の中で、まずできることとして思いついたのは寄付だった
私はいわゆる普通の“会社員”として、日々、仕事に家事・育児に忙しい生活を送っている。
社内で発生するさまざまな問題を解決したかと思えば、掃除に洗濯、食事の準備。休日はどこに出かけようか…。
毎日、会社と家庭を行き来していると、ウクライナもガザも映画の中の出来事と感じてしまうことさえある。
誕生日は特別だ。前髪の白さとお腹のでっぱりが目立つようになっても、家族だけでなく、親戚や友人が、毎年お祝いの言葉を送ってくれる。
私は現在の会社が4つ目の勤め先となる。三重・東京・埼玉・横浜・愛知、引越しも多く経験した。
人生を一歩前に進めるため、そして自分自身の成長のため、悩みながらも自信を持って歩いて来た道だが、親や家族にはたくさんの心配をさせてきた。
会社の先輩や同僚にも多くの迷惑をかけたと思う。
人生を振り返ることができるようになった頃から、そうした周囲への感謝の気持ちとともに、子ども世代・孫世代が幸せに暮らせる世の中になって欲しい、という想いが強くなってきた。
忙しい生活の中で、まずできることとして思いついたのは寄付だった。以前に仕事を通じお世話になったことがある日本フィランソロピー協会の個人会員となったのはその頃。
自分では行動できないまでも、その想いを託すことで、今、困難に直面している人々の一助になると同時に、幸せな世の中を作るために貢献したいと思った。
私はとても幸運だ。戦争や自然災害、生まれながらの貧困など、世界中に苦しみに耐える生活を送る人が多くいる中、私には、家があり、仕事があり、たくさんの友人がいる。
日常の暮らしの中で、狭い世界に閉じこもってしまいがちだが、誕生日という特別な日くらいは、自身の幸運への感謝と世の中の現実に思いを至らせ、幸運のお裾分けと皆が幸せになる社会作りに役立ちたいと思う。
森本 史朗(もりもと・しろう)
名古屋市生まれ。関東の大手IT 企業・ベンチャー企業などで、主に人事制度や人材育成諸施策の企画・運用に従事。現在は愛知県内の自動車部品製造会社の人事部門勤務。国家資格キャリアコンサルタント。